令和7年9月29日(月)に行なわれた『災害に備えた地域での支え合い研修会~障がいのある方などの避難支援を考えよう~』についてお伝えします。
ワン・オールは平成28年度から、“誰もが住みやすいあんしんのまちコーディネート事業”を札幌市より受託しています。この事業を広く知っていただくために毎年この支え合い研修会を実施し、今回で7回目の開催となります(コロナウイルス感染予防のため、令和2年度~令和4年度は中止)。
この事業では、町内会からのご依頼で障がい理解や配慮のポイントを深めることを目的とした研修会の開催、避難訓練の企画・実施への参加、個別避難計画の作成支援など、様々な活動を行ってきました。これらの活動を通して知った行政や地域の取組みを、多くの皆さまに広くご紹介させていただくため、話題提供・行政説明・実践報告の構成で研修企画しております。
一般社団法人 Wellbe Design 篠原辰二理事長より話題提供「災害が起きる前にできること 仕組み・心構え」と題し、災害対策基本法一部改正や災害時避難行動の変遷、地域の自治機能を捉える視点などについて説明いただきました。町内会の皆さんにとっては地域の自治機能の振り返りや見直し、福祉事業所からみると地域の自治機能を知っていただく機会となったのではないでしょうか。
札幌市より行政説明として、災害時の支え合いの取組みや事業、法改正を踏まえて札幌市の取組・避難行動要支援者名簿の提供・個別避難計画の本格実施などについて説明いただきました。
実践報告として、相談支援事業所の立場から相談室あゆみ 山田氏より、ご担当されている当事者の方の個別避難計画の作成に関わり、関係機関との連携や避難訓練などを通じて見えた課題や成果を話していただきました。個別避難計画作成を通して、個別性・地域制・関係性を考えること、作成後の取組みや仕組みづくりを説明してくださり、地域の中でどう支え合うか考えさせられる内容でした。避難支援の取組みについて町内会(手稲区:前田ゆたか町内会 野瀬福祉部長)の立場と視点から発表いただきました。平時に取り組んでいる見守り活動の重要性、障がいのある方や高齢者など要配慮者へ寄り添った関わりと支援体制を話され、今後は要配慮者が参画できる避難訓練に向けて準備されているとのことでした。本事業のコーディネーターが登壇し、町内会・福祉事業所・当事者に関わりながら、地域の中で避難支援の在り方や個別避難計画作成の助言・支援に関わっていることを説明させていただきました。
そして、一般社団法人Wellbe Design 篠原理事長より、「地域の事情に合わせて、町内会・福祉関係者がつながり、障がいのある方の一人ひとりを踏まえた支援を行っていくことが大切である」とまとめてくださいました。