災害に備えた地域での支え合い研修会~障がいのある方などの避難支援を考えよう~

令和5年10月2日(月)に行なわれた『災害に備えた地域での支え合い研修会~障がいのある方などの避難支援を考えよう~』についてお伝えします。

 ワン・オールは平成28年度から、“誰もが住みやすいあんしんのまちコーディネート事業”を札幌市より受託しています。この事業を広く知っていただくために毎年この支え合い研修会を実施し、今回で5回目の開催となります(コロナウイルス感染予防のため、令和2年度~令和4年度は中止)。

 「誰もが安心して生活できる地域づくりの推進」に向けて、町内会からのご依頼で障がい理解や配慮のポイントを深めることを目的とした研修会の開催、避難訓練の企画・実施への参加、個別避難計画の作成支援など、様々な活動を行ってきました。これらの活動を通して知った行政や地域の取組みを、多くの皆さまに広くご紹介させていただくため、今回は基調講演・行政説明・実践報告の構成で研修企画しております。

同志社大学社会学部 立木教授より基調講演「災害に強い地域づくりへの取組みと連携」と題し、統計資料から見えた現状や原因、防災の基本的な考え方を説明いただきました。また、災害時に障がいのある人が置かれる状況として、障がいが要因で災害リスクが高まるのではなく、ハザード(危険個所)の状況から当事者の生活環境に障壁が現れることで災害リスクが高まると話されています。解決策として、平時の福祉と災害時の防災・危機管理を切れ目なく連結することを述べられ、動画や事例を活用し、わかりやすく紹介くださいました。

札幌市より行政説明として、災害時の支え合いの取組や事業、支援ツールの説明いただきました。実践報告として、避難支援の必要性を当事者(紺野氏)・福祉事業所(居宅介護事業所Fステージ田中氏)、避難支援の取組みを町内会(白石区:北郷東町内会 東副会長)という立場と視点から発表いただき、災害時に起こる対応や平時からどのような準備が必要なのかを考えさせられる内容でした。立木教授からの総評として「防災の取組みは地域だけに任せない」「福祉と防災の連携」について改めて強調いただきました。そして、実践報告を進行された一般社団法人Wellbe design 篠原理事長より最後に「研修を通して、行政は避難行動要支援者の絞り込みと体制整備、福祉は災害の支援力強化、当事者は自助の見直しや準備が各々の宿題である」とまとめてくださいました。

 いただいたアンケートには「当事者の目線で参考になった」「定期的に災害を想定した避難訓練が必要だと感じた」「福祉と防災の連携が必要であることがわかった」など、今後の活動のご参考にいただけるのではないかと感じております。行政・福祉・地域・当事者の各々の立場で準備をし、避難支援の取組みや仕組み(平時・災害時)が切れ目なくつなげられるよう実践していこう!と考える研修会でした。

令和5年度 ワン・オール主催研修 新任職員研修

令和5年7月11日(火)13:00~17:30

ワン・オール主催の令和5年度の「新任職員研修」が開催されました。

 今年度はコロナが5類になったという事もあり、久しぶりに参集しての研修開催となりました。講義の中でちょっとした演習としてグループワークもあったのですが、皆様とても積極的に意見交換をしていたように見えました。

 研修内容は、

①「ソーシャルワークの理念と障がい者への相談支援」北星学園大学の永井順子教授

②「札幌市の相談支援の歴史と現状」ワン・オール

③「行政の立場から見た相談支援と協議会」札幌市障がい福祉課

④「高次脳機能障害の相談支援と医・職・住について」NPO法人コロポックルさっぽろ 相談室 コロポックル

と、なっています。

 永井先生の講義では、演習としてグループワークもあったのですが、皆様とても積極的に意見交換をしており、アンケートでも「グループワークがあってよかった」という感想をいただきました。やはりリモートではなく直接顔を合わせて話をするという事も大切だなということを改めて感じたところです。 午後いっぱいを使い、長時間の研修会となりましたが、参加したいただいた皆様からもおおむね好評のアンケート結果をいただいています。参加していただいた皆様、ありがとうございました。

今後も皆様の実践に役立つ研修を企画、実施していければと思います。ワン・オール主催の研修は、今年度中にもう1回予定しています。準備ができ次第ご案内をしていきますので、次回の研修もどうぞよろしくお願いいたします。

【あんしんのまちコーディネート事業】令和5年度第1回外部アドバイザー会議

6月29日(木)

「誰もが住みやすいあんしんのまちコーディネート事業」の外部アドバイザー会議を開催しました。

 あんまち事業では、ワン・オールスタッフが行っているコーディネーター業務に対して、災害支援施策について情報提供、支援体制への助言、支援団体への支援など、災害支援について幅広い知見からご意見、助言を外部機関よりアドバイスをお願いしています。

 今年度は、札幌市以外の災害支援の現状などについても知りたい、共に色々考えていけないかということでオブザーバーとして、北海道保健福祉部総務課危機管理係、北海道民生委員児童委員連盟の方にもご参加いただきました。また札幌市でも今年度から地域福祉・生活支援課要配慮支援調整担当係が設置され、昨年度よりもご出席いただける人数も増え、色々な視点からの意見交換や情報共有を行うことができました。

 内容は、あんしんのまちコーディネート事業の令和4年度の活動報告および令和5年度の活動計画の報告。そして、特にテーマは設けず出席者による意見交換を行いました。

 特に令和4年度から5年度にかけて、身体障がいのある方の個別避難計画を町内会や行政、福祉担当者と一緒に作成するという活動にワン・オールがあんしんのまちコーディネート事業のコーディネーターとして一緒に関わり、進めることができたという実践から、今後この事業をどのように進めていくのか、本来的に要配慮者の皆様の避難支援についてどのように連携をしていけば良いのか、そして避難したその後についてもどう考えていくのかなど、事業のことだけではなく、広く要配慮者の避難支援という視点から様々な立場のアドバイザーやオブザーバーの皆様から多様なご意見をいただき、あっという間に1時間半の会議時間が終了していました。

 今年度は10月2日に大きな研修会の開催も予定しています。今後も外部アドバイザー会議でいただいたご意見・ご助言をもとに札幌市の避難支援の取組の一つとしてあんしんのまちコーディネーター事業として町内会と地域で暮らす障がいのある方がつながる機会が増えていくお手伝いができればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 

 

南区地域部会全体会

令和5年5月24日(水) 18時30分

 令和5年度 南区地域部会全体会が開催されました。コロナ禍で中々集まることが難しい状況が続いておりましたが、今回は、会場とオンラインのハイブリッド形式で全体会を行い、約40数名の方が参加されております。会場から参加した様子について報告させていただきます。

 『地域部会ご紹介』があり、「自立支援協議会・南区地域部会ってなんだろう」のテーマで、自立支援協議会についてはワン・オール、南区地域部会は奥田部会長より説明がありました。

 その後、札幌市の出前講座から『虐待ってなに?』をテーマに札幌市保健福祉局障がい福祉課 品川主査(個別支援)より虐待件数や事例紹介などで学びを深めました。

 

 

 

 

 

 

 

最後はグループワークを行い、ざっくばらんに色んな話をされ、非常に盛り上がりました。令和5年度、様々な交流会を予定されているようです。

【あんしんのまちコーディネート事業】令和4年度第1回外部アドバイザー会議

 3月23日(木)

「誰もが住みやすいあんしんのまちコーディネート事業」の外部アドバイザー会議を開催しました。

 あんまち事業では、ワン・オールスタッフが行っているコーディネーター業務に対して、災害支援施策について情報提供、支援体制への助言、支援団体への支援など、災害支援について幅広い知見からご意見、助言を外部機関に所属するアドバイザーの皆様にアドバイスをお願いしています。

 例年、年2回開催している外部アドバイザー会議でしたが、昨年度はコロナ禍であんまち事業の動きそのものがあまりなかったということもあり、未実施でした。そのため、今年度は1年ぶりのアドバイザー会議の実施となりました。

 会議の内容は、あんしんのまちコーディネート事業の令和4年度の活動報告および令和5年度の活動計画の報告。そして出席者による意見交換をざっくばらんに行いました。

 要配慮者避難支援については、町内会だけではなく障がいのある当事者のみなさんや日々障がいのある方達の支援を行っている障がい福祉のサービス事業所への周知や活動も今後必要になっていくということ。地域には様々な住民が生活しているということを考えると、障がい分野だけではなく、他領域との連携が必須であること等が意見交換の中で改めて確認されました。

 令和5年度はコロナ禍で開催ができなかったカナモトホールでの研修会の再開も予定しています。今回の外部アドバイザー会議でいただいたご意見・ご助言をもとに令和5年度も微力ではありますが、札幌市の避難支援の取組の一つとして、あんしんのまちコーディネーター事業を通して町内会と地域で暮らす障がいのある方がつながる機会が増えていくお手伝いができればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

ワン・オール主催 令和4年度「人材育成」と「スキルアップ」研修

3月17日(金)

年度末も差し迫ったなか、令和4年度ワン・オール主催「人材育成」と「スキルアップ」研修を開催いたしました。

コロナ禍になってから、ワン・オールの研修もすべてzoomでの研修としてきましたが、今回は約3年ぶりに集まっての研修会となりました。

テーマは「対象者理解を深める事例検討」事例検討にて対象者理解を深めつつ、事業所内やその地域にて事例検討を行う場を作っていくこと、また事例検討と計画相談支援との関係性について制度確認などを行いました。

コロナも落ち着いてきたとはいえ、久しぶりの参集する研修会の企画です。どのくらい参加してくれるかと思っていたのですが、当日は40名ほどのご参加をいたたくことができました。グループワークの時間は、皆さん久しぶりに対面でお会いする方も多かったためか、研修後のアンケートで「グループワークの時間が足りなかったです」というご意見もあるほど、積極的な意見交換が行われていました。

この3年ほどでリモート研修の機会もずいぶん増えたのですが、やはり直接会うこととで研修で学ぶだけではなく、同じ相談支援専門員としての情報交換やつながりの機会も必要とされていると実感しました。

アンケートでもたくさんのご意見をいただきましたので、次年度のワンオール主催研修に役立てて行きたいと思います。事例検討にご協力いただいた皆様、研修にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

北区地域部会全体会及び交流会

令和5年3月15日(水) 18時30分

 令和4年度 北区地域部会全体会及び交流会が開催されました。

 今回は、会場とオンラインのハイブリッド形式で全体会を行い、約40名の方が参加されております。会場から参加した様子について報告させていただきます。

 まずは2022年度の活動報告があり、運営委員会・こども部会・相談支援部会より取組みの成果について説明がありました。また、令和5年度の地域部会運営委員に新規で入られる方の紹介等もあって、たくさんの方が北区地域部会に参画し、精力的に活動を展開されています。

 交流会では、「重度訪問介護(非定型)の現場と人権擁護について」をテーマに発表がありました。①ノーマライゼーション・重度訪問介護についての歴史や重度訪問介護の必要性、②非定型支給決定の利用者さんに関わるヘルパー事業所の現状と支援体制、③当事者のコロナ罹患による入院時の現状について話され、その後、グループワークで意見交換を行っています。

 

 

 

 

 全体共有では、発表を聞いての感想、重度訪問介護を利用されている方の生活を知る機会や考えることができたとありました。北区地域部会ではコロナ禍での工夫として、ハイブリッド形式で研修会を行っており、令和5年度も様々な学びや交流会を企画していきたいと話され、全体会は大盛会でした。

東区地域部会全体会

令和5年3月7日(火) 18時30分

 障がいがあっても住みやすい東区をつくろう!~重度障がい者の地域生活について知ろう!~をテーマに、東区地域部会全体会が開催されました。

 今回は、会場とオンラインのハイブリッド形式で全体会を行い、約50名の方が参加されております。会場から参加した様子について報告させていただきます。

 全体会の冒頭で、札幌市自立支援協議会や、その部会の1つである東区地域部会についての紹介、ネットワーク部会及び子ども部会からの活動報告がありました。コロナ禍でも事業所同士の連携や情報共有を重ねており、令和5年度の展望についても説明されております。

 続いて、『重度障がい者に関するアンケート実施結果概要』として、東区内で重度障がい者が生活する上での困り事を調べ、地域課題を抽出することを目的に実施したことを報告。本人・家族・支援者より合計46件の回答があり、①支援に関する課題、②サービスの提供体制整備の課題、③児童から成人のサービスに切り替わる課題、④移動に関する課題、⑤その他課題の5つに整理をして、現在、東区地域部会で対応等について検討していると話されています。

 このアンケート結果を踏まえて、『重度障がいをお持ちの方の地域生活を紹介』を行っています。内容は、①重度の身体障がいをお持ちの方の生活、②強度行動障がいをお持ちの方の生活について、共同住宅やご自宅での生活、外出時の一場面を動画視聴しながら解説をいただきました。話には色々聞いていても、まさに百聞は一見に如かずで、重度障がいの方の生活や現状を見て考える機会となったと感じました。

 最後に、グループ交流を行い、「重度障がいをお持ちの方の日常生活を見た感想」「どうすれば重度障がいをお持ちの方が安心して地域で暮らせるのか」について意見交換。参加された方々より、重度障がいに関する現場での課題や工夫、コロナ禍での対応・苦労等が共有されています。これまでオンラインで集まることが多く、対面で久しぶりに皆さんに会えたことで、連携の必要性や対面で共有することの大切さを改めて確認できたという声が多数あり、全体会は大盛会でした。

 取材にご協力いただいた、東区地域部会の皆様、ありがとうございました。

防災・減災セミナー

令和5年1月23日(月)

 公益法人札幌市防災協会主催、「第2回 防災・減災セミナー」がかでる2・7にて開催されました。当日は午前の部、午後の部と分かれており、町内会の方、行政や地域包括支援センターの方など、午前・午後とあわせると150名近くこのセミナーに参加したとのことです。

 ワン・オールは、「知っておきたい!町内会でできる避難支援(障がい者事例を中心に)」というテーマでお話をさせていただきました。町内会で行う要配慮者避難支援の取り組みの必要性についてや、現在ワン・オールがお手伝いさせていただいている障がい当事者の方の個別避難計画作成の取り組みについても実践報告させていただきました。

 たくさんの方にお話を聞いていただき、「ワン・オールの取り組みの中で防災対策のことについて障がいのある方に伝えていく取り組みはありますか?」「名簿を取り寄せると絶対に計画を立てなくてはいけないのだろうか?もっとスピード感のある取り組み方法もあるのでは?」等、具体的な取り組みに関わる質問もいただきました。

 ワン・オールが受託している「誰もが住みやすいあんしんのまちコーディネート事業」では、町内会のみなさまと地域で暮らす障がいのある方達のいざという時の避難支援の取り組みについて、それぞれの地域が活動しやすい取り組みを一緒に考えていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

【あんしんのまちコーディネート事業】個別避難計画作成のお手伝いをしています。

令和4年11月29日(火)

 ワン・オールでは今年度、障がい当事者の方からのお声がけをいただき個別避難計画作成のお手伝いを行っています。

 ご本人は、重度の障がいがある方で、車いすでお一人暮らしをされており、ほぼ24時間介護が必要な方です。

 計画作成をしていきたいとご本人が思ったきっかけは、やはり北海道胆振東部地震の時。

 停電が起こって、マンションの電動ポンプが止まって断水して、エレベーターも止まった。ほぼヘルパーがいてくれて、在宅避難していたが、また災害が起こったらどうなるだろう・・・というような不安をお聞きしました。そんなお話を聞いたご縁で、個別避難計画作成のお手伝いができないかと思い、ご本人が暮らす地域の地域支援員(各区委託相談支援事業所1カ所に配置)やご本人のサービス等利用計画を作成している相談支援専門員にも協力をお願いし、この活動が始まりました。加えて趣旨をお話したところ、区役所の方やご本人が暮らす町内会の町内会長さんのご理解も得ることができ、この日、初めて顔合わせとご本人の生活の共有、町内会の様子などについて情報共有の場を持つことができました。

 ご本人、町内会、行政それぞれの疑問や課題と思っていること、やらねばと思っているけどなかなか進めることができていないこと等々、ざっくばらんな雰囲気で情報共有をしています。

 具体的な話はこれから詳細を詰めていくことになりますが、このご本人との取り組みが少しずつ障がいのある方の個別避難計画作成の取り組みにつながっていけばと思います。

 これからも進捗をブログでご報告させていただきますので、よろしくお願いします。