袴姿の学生さんが街に行きかう3月18日、札幌市役所の会議室にて令和5年度「人材育成」と「スキルアップ」研修を開催しました。
今回のテーマは「障がい福祉と介護保険の連携とその具体的実践」でした。参加対象者を札幌市内の指定特定相談支援事業所、障がい者相談支援事業所、地域包括支援センターで実務を担当する方といたしました。
このような形で介護保険分野の方と一緒に行う研修は、当所で初めての試みとなります。年度末でお忙しいなか、講師含め60数名の方にお越しいただきました。ありがとうございます。今回のテーマへの関心の高さがうかがえました。
研修は、話題提供、実践報告のあと、9グループに分かれてのグループワークという構成で行いました。
まず、話題提供「介護保険と障がい福祉について~基本的な体制について」では、介護保険の制度のしくみやサービスについて札幌市の介護保険課の方にご説明いただきました。また、札幌市の障がい者相談支援事業についての概要をワンオールの業務を含め、当所のスタッフが説明いたしました。
つぎに、実践報告では、市内での実践事例を2例ご紹介いただきました。
1つ目は、「高齢の父と障害をもつ娘への支援事例」で、世帯全体をみて障害者分野と高齢者分野が協力体制をつくり支援した事例です。それぞれの不安に寄り添い、生活のSOSや病気・障害への対応を2年半にわたり連携して行った経過についてお話しいただきました。
2つ目は、『「前頭側頭型認知症」の方の施設移行における実践報告』です。障害福祉サービスを使っていた方が、認知症の診断により介護保険サービスを利用するに至るまでの連携の流れについてご紹介いただきました。
いずれの事例も、障害分野の相談支援事業所スタッフと、介護保険分野の事業所スタッフが連携した事例で、二人一組のペアで、計4名にお話しいただきました。報告者それぞれが共通して語られていたのは、『日ごろから「顔の見える関係」「相談しあえる関係」を築くことがいかに大切か』ということです。『「良い出会いの先には、良い支援が待っている」ことを信じて』という言葉が心に響きました。
参加者からは「生き生きとした表情で発表されていたことがとても印象的でした」「他分野との連携はうまくいかないこともあるなか、勇気づけられるお話でした」という感想をいただきました。
グループワークでは、5~7人のグループで、実践報告の感想をはじめ、介護保険や他の分野との連携、多職種協働、テーマに関して日々の困りごとや素朴な疑問など、自由に語り合っていただきました。初対面同士の方が多く、名刺交換や自己紹介も活発に行われていました。
コロナが5類になってから初めて開催した当研修、「集まって話せるのは、楽しいし、やっぱりいいね!」と、顔の見える関係づくりの良さを改めて実感することのできる機会となりました。
ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
次年度の研修にもつなげていきたいと思っております。
ひきつづきどうぞよろしくお願いいたします。