札幌市精神障がい者地域生活移行支援研修~ピアサポーターの取組から~

  年明け早々の1月14日(火)、精神科病院、相談支援事業所、居宅系福祉事業所などの職員を対象としたピアサポーター活用による地域生活移行支援の研修会を行い、約90名の参加をいただきました。

ワンオールでは札幌市より「札幌市精神障がい者地域生活移行支援事業ピアサポーター活用業務」を受託し、精神科病院から地域生活への移行にピアサポーターが関わっています。本研修におきましては、この実践事例をみなさまにご報告し、改めて本事業を広くお知りいただくとともに、地域生活への移行やピアサポーターの活用などについて考える機会となることを目的としております。

当日の流れは、まずNPO法人十勝障がい者支援センター理事長の門屋充郎氏から、これまでの歴史を紐解きながら地域生活移行支援の仕組みが説明され、それを受けて札幌市障がい福祉課個別支援主査の鈴木氏より札幌市のピアサポーターの取組など説明されました。

続いて、これらを踏まえて2つの実践報告が病院PSWとピアサポーターの共同報告という形で行なわれました。

 

1例目は、ピアサポーターの活動報告を吟味する中で病院から具体的な支援目標が示され、それに基づいた活動をして報告、そこにさらに具体的な支援目標が示される、というふうに病院とピアサポーターが一緒に考えながら支援をして行き、“患者さん”から“生活者”としての感覚を取り戻しつつある、という事例でした。

2例目は、地域で暮らすために支援の輪を広げる取組の一環としてピアサポーターが導入され、“生活者としての意識が芽生え”“入院患者さんとの交流が生まれ”“人との付き合いの難しさを実体験し人付き合いの取戻しをおこなう”という変化が見られたケースです。

1例目の利用者さんのピアサポーターに対する感想「ピアさんも成長したねぇ」がPSWさんから披露されると会場全体がほのぼのとした空気に包まれました。

 最後の総括として門屋氏から「地域移行の制度にきちんとのせることで、取組も加速するし成果も挙げることができる、またピアサポーターの身分保証にもつながる」というご指摘があり、今後の可能性を示していただけました。

アンケートはほぼ100%の回収率で、ほとんどの方がご意見ご感想を書いてくださっていて熱心にお聞きくださったこと感謝しております。

 この研修で得たことを日々の糧として今後の業務に活かして行きたいと考えております。

 ありがとうございました。